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公認心理師試験 第2回試験 問76 2019-076

問76 事例 58歳の女性A。1年前に会社の健康診断で軽度の肥満と高血糖を指摘されたが、そのままにしていた。最近、家族に促されて総合病院の糖尿病内科を受診したが、自ら治療に取り組んでいくことに前向きになれない様子であった。そのため、多職種からなる治療チームで対応を険討することになり、そのメンバーである公認心理師にAに対する心理的支援が依頼された。

Aに対する心理的支援を様々な職種と連携しながら進める上で、適切なものを2つ選ベ。

(1)心理面接でAから得た情報は、他職種から得た情報よりも常に重要である。

(2)治療初期の心理的支援の主な目的は、服薬アドヒアランスを高めることである。

(3)生物心理社会モデルに基づき、Aの心理面だけでなく身体面や社会面も理解する。

(4)Aのセルフモニタリングから得られた情報を他職種と共有しながら、食事や運動の行動変容を進める。

(5)医師、看護師、管理栄養士など多くの職種の専門性を活かすために、他職種の行っていることに意見をしないようにする。

 

センターの答え (3)(4)

用語 

(医療分野の)アドヒアランス:患者が自らの意思により積極的に治療に参加すること、たとえば薬剤の意味を理解し進んで正しく服薬すること。

(医療分野の)コンプライアンス:患者が主治医の言いつけを守り、命じられた服薬などに従うこと。

解説 (3)(4)が正しいことはわかりやすい。

ただ、(2)で悩む人はいるかもしれない。

(2)の服薬アドヒアランスの意味を知っている人ほど、ひっかかる。つまり、服薬アドヒアランスは良い意味で(望ましいこととして)使われる用語なので、マルにするひともいるだろう。ただ、肥満と高血糖は、まずは、薬剤の服薬よりも生活習慣の改善が先になるので、生活習慣を変えていくための動機付けが優先となるため、(2)はバツになる。初期段階ではなく服薬が必須の段階に進んだ時にはマルとなる。

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