公認心理師試験 第2回試験 問28 2019-028
問28 DSM５の反社会性パーソナリティー障害の診断基準として正しいものを１つ選べ
（１）10歳以前に発症した素行症の証拠がある
（２）他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、14歳以降におこっている
（３）反社会的行為が起るのは、統合失調や双極性障害の経過中ではない
（４）他人の権利を無視し侵害する広範囲な様式には、自殺の素振り脅しが含まれる
（５）他人の権利を無視し侵害する広範囲な様式には、衝動性または将来の計画を立てられないことがあるが含まれる
センターの答え 正解を（５）とするが、選択肢が不明確であるため採点除外
当方の考え（５）および（３）も正しい
解説
（１）10歳以前に発症した素行症の証拠がある→15歳以前には素行症がある
（２）他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、14歳以降におこっている→15歳以降に生じている
（３）→のちほど説明します
（４）他人の権利を無視し侵害する広範囲な様式には、自殺の素振り脅しが含まれる→含まれない
（５）他人の権利を無視し侵害する広範囲な様式には、衝動性または将来の計画を立てられないことが含まれる→正しい
説明
まず、（５）は、診断基準Aの7つの症状のうちのひとつであり、正しい。
さて、（３）についてです。DSM５を翻訳出版した日本語版しか知らないとすると、選択肢（３）は「のみ」が抜けているので単純にバツになります。
しかし、DSM5の原文（下記英文）を知っているとすると、選択肢（３）の文章の「のみがない」ほうが病態に近いですし日本語としてむしろ分かりやすくマルになります。
★★以下は参考です、読み飛ばしていただいて結構です★★
まず、DSM５の原著である英語版では、
DSM5 Antisocial Personality Diagnostic Criteria D:
「The occurrence of antisocial behavior is not exclusively during the course of schizophrenia or bipolar disorder. =Diagonistic Features= The antisocial behavior must not occur exclusively during the course of schizophrenia or bipolar disorder.」
★★単語帳★★
Antisocial Personality=反社会的パーソナリティー
must not=べからず、まかりならぬ
occur=発生する
exclusively=排他的に、これだけに限る
antisocial behavior=反社会的な行為
during=期間中
course=経過
Diagonistic Features=診断的な特徴
schizophrenia=統合失調症
bipolar disorder=双極性障害
これを翻訳した日本語版では、
反社会性パーソナリティー障害 診断基準項目Dについて：
「反社会的な行為が起るのは、統合失調や双極性障害の経過中のみではない。」
と印刷されています。
【当解答解説は個人的な見解でございます、当方の勉強不足の場合もあり得ますので、その点はお許しください。また至らぬ表現によりご気分を害される方がおられましたらお詫びいたします、申し訳ありません。】
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公認心理師試験過去問 第2回試験 もくじ - rainymanday’s diary
