公認心理師試験 過去問捜査室

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公認心理師試験 第2回試験 問154 2019-154

問154 事例

 (概要抜粋)35歳男性、会社員、うつ病の診断で休職中。抑うつ感は改善したが、不眠および昼間の眠気あり。通院先の「病院に勤務する」公認心理士師が面接を行った。本人は「主治医には伝えていないが、同僚に取り残される不安あり、早々に復職をしたい。職場に行けば昼間は起きていられると思う」という。公認心理師の対応として適切なものを2つ選べ。

 

(1)試し出勤制度を利用するよう助言する

(2)まだ復職ができるほど「十分に回復していない」ことを説明する

(3)本人の「早々に復職したいという焦る気持ち」があることを受け止める

(4)同僚に取り残される不安については、これを否定して安心させる

(5)主治医に職場復帰可能とする診断書を書いてもらうように助言する

 

センターの答え (2)(3)

 解説

(3)は受容なので文句なしにマル

(4)が否定なので文句なしにバツ

(5)は主治医の判断を待たずに飛び越えてるので文句なしにバツ

残り(1)(2)の判断が悩むところですね。

(1)を、センターでは誤りとしています。近年、試し出勤制度は安全配慮上問題点が多く、労働者にとっても会社にとっても良い結果とならないことが知られ、避けられる傾向にあります。(1)を誤りとするセンターの解答に賛成です。

(2)を、センターでは正解としています。上と同じ理由で、十分に回復していない状態で就労させると会社は安全配慮義務違反を問われます。また実際上もほとんどが病状悪化、復職失敗につながります。(2)を正解とするセンターの意見に賛成です。

センターの本問の設問および解答は、最新の産業精神保健の知見や労働判例からいっても、適切であると考えられます。

 

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