第3回公認心理師試験(2020年12月)午前の問題と答えと解説
第3回公認心理師試験(2020年12月)午前の問題
問1~問77
問1 要支援者と公認心理師の関係について、適切なものを1つ選べ。
① 心理療法の面接時間は、要支援者のニーズに合わせてその都度変える
のが良い。
② 投薬が必要となり、精神科に紹介したケースも、必要であれば心理的
支援を継続する。
③ 知らない人に対して気後れして話ができないという友人の母親のカウ
ンセリングを引き受ける。
④ 大学附属の心理相談室で新規ケースのインテーク面接を行う場合、受
理するかどうかは自分一人で決める。
⑤学校内で自殺者が出た場合の緊急介入時には、事実を伝えるのは亡く
なった生徒と親しかった少数のみに限定するのが原則である。
答=1
1:基本的には固定したほうが望ましい
2:正しい
3:二重関係である
4:責任者と相談して決める
5:説明がないとうわさが広まりマイナス
問2 統合失調症の症状が増悪したクライエントへの公認心理師の介入に
ついて、適切なものを1つ選べ。
① 症状増悪時は、心理的支援を行わない。
② 幻聴に関して、幻覚であることを自覚させる。
③ 緊張病性昏迷では、身体管理が必要となる可能性があることを家族に
伝える。
④ 作為体験によるリストカットは、ためらい傷程度であれば特に緊急性
はない。
⑤ 服薬を拒否するクライエントに対して、薬は無理に服薬しなくてよい
と伝える。
答=3
1:必要
2:自覚なんて無理
3:正しい
4:死ぬこともある
5:投薬中止によりさらに悪化する
問3 自殺予防や自殺のリスク評価について、正しいものを1つ選べ。
① 文化的・宗教的な信条は、自殺のリスクに関連しない。
② 自殺念慮に具体的な計画があると、自殺のリスクが高い。
③ 家族や身近な人に自殺者がいても、自殺のリスクが高いとは言えな
い。
④ 自殺予防のための情報提供などの普及啓発は、自殺の二次予防として
重要である。
⑤ 自殺手段や自殺が生じた場所について繰り返し詳しく報道すること
は、自殺予防になる。
答=2
1:関連する
2:正しい
3:リスク高い
4:一次予防として
5:後追い自殺あり
問4 ある医療機関で入院患者が自殺し、3日後に同じ病棟の患者が続け
て自殺した。この病棟における自殺のポストベンションについて、最も
適切なものを1つ選べ。
① 第一発見者のケアを優先する。
② 患者の担当以外の病棟スタッフは対象にならない。
③ 自殺の原因を特定し、病棟の問題を解決することが目的である。
④入院患者と医療スタッフが当該自殺に関する率直な感情を表現する機
会を設ける。
⑤ 守秘義務のため、亡くなった患者と親しかった他の患者には自殺につ
いて伝えない。
答=4
1:全ての関係者にケア必要
2:同上
3:原因究明が目的ではない
4:正しい
5:問1の5に同じ
問5 遊戯療法と最も関係が深い人物として、正しいものを1つ選べ。
①A. Ellis
②A. Freud
③A . T.Beck
④H . A. Murray
⑤J . B. Watson
答=2
問6 奥行きの知覚における両眼性の手がかりとして、正しいものを1つ
選べ。
① 陰影
② 輻輳
③ 重なり
④線遠近法
⑤ きめの勾配
答=2
問7 統計的仮説検定の説明として、正しいものを1つ選べ。
① t 検定では、自由度が大きいほど、帰無仮説の上側確率に基づく棄却
の限界値は小さい。
② 2つの条件の平均に有意な差が認められない場合、それらの平均には
差がないといえる。
③K. Pearson の相関係数が 0.1 % 水準で有意であった場合、2つの変
数間に強い相関があるといえる。
④ 対応のない2群の t 検定では、各群の標準偏差が大きいほど、有意な
差があるという結果が生じやすい。
⑤K. Pearson の相関係数の有意性検定では、サンプルサイズが小さい
ほど、帰無仮説の上側確率に基づく棄却の限界値は小さい。
答=1
1:正しい
2:実際には差があるのに差がないと検定してしまうパターン(第2種の誤り)ですね
3:有意確率だけで相関係数が示されていないのでわかんない
4:標準偏差が小さいほど有意差がでる
5:サンプル少ないほど棄却限界値大きい
問8 心理学の実験において、「X が Y に及ぼす影響」の因果的検討を行
うとき、正しいものを1つ選べ。
① X を剰余変数という。
② Y を独立変数という。
③ 研究者があらかじめ操作するのは Y である。
④ X は、値又はカテゴリーが2つ以上設定される。
⑤ 結果の分析には、X と Y の相関を求めるのが一般的である。
答=4
1:説明変数
2:目的変数
3:操作するのはX
4:正しい
5:因果関係はあっても相関関係までは示せないことのほうが多い
問9 100 g の重さの知覚における弁別閾を測定したところ 10 g であっ
た。このときに予測される 400 g の重さの知覚における弁別閾として、
正しいものを1つ選べ。
①2 .5 g
② 10 g
③ 13 .01 g
④ 20 g
⑤ 40 g
答=5
弁別閾は刺激の強さに比例するから(ウエーバーの法則)
問10 E. C. Tolman は、ラットの迷路学習訓練において、訓練期間の途中
から餌報酬を導入する実験を行っている。この実験により明らかになっ
たこととして、最も適切なものを1つ選べ。
① 回避学習
② 観察学習
③ 初期学習
④ 潜在学習
⑤ 逃避学習
答=4
トールマンは、単純な動物にも潜在学習があると言った。潜在学習とは、報酬なしの時期に潜在的に進行していた学習が、報酬によって顕在化すること。
問11 N. Chomsky の言語理論の立場として、正しいものを1つ選べ。
① 言語発達のメカニズムは、遺伝的に決定されている。
② どのような言語にも共通する普遍文法は存在しない。
③ 言語の文法は、ヒト以外の動物種にも認めることができる。
④ 句構造規則によって作られた文の表層構造は、変形規則によって深層
構造となる。
⑤ 脳の中にある言語獲得装置は、報酬と罰の経験によって文法を獲得す
る働きを持つ。
答=1
1:正しい。人間の遺伝子(猿とは違う)により決定された脳構造そのものが言語獲得の装置である(チョムスキー)。いわば、脳のコンピュータ自体が全然違うでしょ、ということ。
2:どの言語にも共通な普遍文法がある。パソコンで言えばBIOSみたいなもの。
3:言語というべきものは、地球上では人以外の動物種には認められない。
4:(表層と深層が逆)。句構造規則によって作られた分の深層構造は、変形規則によって表層構造となる。
5:(報酬と罰は関係ない)。脳の中にある言語獲得装置は、生得的に備えている言語を司る器官によって、文法を獲得する働きを持つ。
問12 質問紙法を用いたパーソナリティ検査について、正しいものを1つ
選べ。
① 検査得点の一貫性のことを妥当性という。
② α 係数は、検査項目の数が多いほど、低い値をとる。
③ 再検査法では、2時点の検査得点間の相関係数を用い、検査の安定性
をみる。
④ 検査が測定しようとしているものを正しく測定できている程度のこと
を信頼性という。
⑤ 検査得点の分散に占める真の得点の分散の割合が高いほど、検査結果
の解釈が妥当になる。
答=3
1:それは信頼性
2:α係数は検査(質問)項目数が多いほど高くなる
3:正しい
4:それは妥当性
5:信頼性が高いだけで、妥当性はわからんでしょ、と言いたいのね。
問13 摂食行動を制御する分子について、正しいものを1つ選べ。
① グレリンは、食欲を抑制する。
② レプチンは、食欲を促進する。
③ オレキシンは、食欲を抑制する。
④ 肥満症では、血液中のグレリン濃度が上昇する。
⑤ 肥満症では、血液中のレプチン濃度が上昇する。
答=5
1:グレリンは食欲亢進
2:レプチンは食欲抑制
3:オレキシンは食欲亢進
4:肥満症はグレリン濃度が低い
5:正しい 肥満症はレプチン濃度が高い
問14 自己中心性バイアスに該当する現象として、最も適切なものを1つ
選べ。
① ハロー効果
②スリーパー効果
③ 自己関連づけ効果
④ フレーミング効果
⑤スポットライト効果
答=5
自己中心性バイアスとは、自分の基準だけで判断することにより、他者の心中を誤って察してしまうこと。
この中では、スポットライト効果だけが該当する。
スポットライト効果とは、誰も気にしていないのに(例えば、自分の欠点などについて)注目されていると気にし過ぎること。自己中心性バイアスにより他者が注目していると誤解している。
問15 ケース・アドボカシーの説明として、正しいものを1つ選べ。
① 患者が、医療側の説明を理解し、同意し、選択すること
② 医療側が、患者に対して行おうとしている治療について十分な説明を
行うこと
③ 障害のある子どもと障害のない子どもを分けずに、特別な教育的ニー
ズをもつ子どもを支援すること
④ ある個人や家族がサービスの利用に際して不利益を被らないように、
法的に保障された権利を代弁・擁護すること
⑤ 障害者が社会の中で差別を受けることなく、権利の平等性を基盤にし
て、一般社会の中に正当に受け入れられていくこと
答=4
アドボカシーとは(弱者の権利などを)代弁(スル)機能のこと。
問16 精神分析理論の防衛機制に関する実験的研究の結果を基盤に発展し
た心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
① SCT
② TAT
③MM PI
④ P-F スタディー
⑤ ロールシャッハ・テスト
答=4
1:SCT 文章完成法 言語連想検査から派生
2:TAT 主題統覚検査 欲求圧力理論から派生
3:MMPI ミネソタ多面人格目録 特定の人格理論ではない
4:(正しい)P-Fスタディー 精神分析の概念である防衛機制の実験により、フラストレーション現象が心理力動を良くとらえるとした。
5:ロールシャッハ 精神分析的方向もあるが、もともとはフロイラーの連合心理学(知覚や統覚の概念)から派生したもの
問17 公認心理師が心理相談での記録や報告を行う際に留意することとし
て、最も適切なものを1つ選べ。
① 病院からの紹介状への返事は、クライエントには見せない。
② 守秘義務があるため、面接内容は自身の上司には報告しない。
③ 録音は、クライエントを刺激しないために気づかれないように行う。
④ 心理 検査の報告は、検査を依頼した職種にかかわらず専門用語を使っ
て書く。
⑤ インテーク面接の記録には、観察事項に基づいた面接時の印象も併せ
て記録する。
答=5
1:種類や内容による
2:上司への報告相談は必要
3:原則として同意がいる、しかしこちらに不同意で録音しているクライアントは、いるよねー。
4:わかりやすく書く
5:正しい
問18 心身症に関連した概念について、正しいものを1つ選べ。
① 慢性疼痛患者には、抗うつ剤は無効である。
② 進学や結婚は、気管支喘息の増悪に関与しない。
③ タイプA型行動パターンは、消化性潰瘍のリスク要因である。
④ 本態性高血圧症が心理的ストレスで悪化している場合は、心身症と考
える。
⑤ アレキシサイミア(失感情症)とは、以前楽しめていた活動に対して楽
しめない状態を意味する。
答=4
1:有効
2:進学や結婚もストレス
3:虚血性心疾患
4:正しい
5:感情を認知することの障害であり、心身症が症状化するメカニズムのひとつ
問19 過敏性腸症候群(IBS)について、正しいものを1つ選べ。
① 感染性腸炎は、発症と関連しない。
②内臓痛覚閾値の低下が認められる。
③ 我が国の有病率は、約2% である。
④プロバイオティクスは、有効ではない。
⑤ 下痢型 IBS は女性に多く、便秘型IBS は男性に多い。
答=3
1:関連する。そういえば昔、胃潰瘍はストレスと習ったけど、ありゃうそだった(ピロリ菌が原因)。
2:正しい(閾値の低下=痛みを感じやすい)
3:有病率14%
4:プロバイオティックス(腸内善玉菌)ちょっとは有効
5:下痢型=男性、便秘型=女性
問20 介護保険が適用されるサービスとして、正しいものを1つ選べ。
① 配食サービス
② 精神科訪問看護
③ 介護ベッドの購入
④ 住宅型有料老人ホーム
⑤ 通所リハビリテーション
答=5
1:保険外
2:医療保険
3:購入は保険外、賃貸は介護保険
4:保険外
5:正しい
問21 T. Kitwood の提唱した認知症に関するパーソンセンタード・ケア
の考え方について、最も適切なものを1つ選べ。
① 問題行動を示したときは、効率的に管理しなければならない。
② ケアで重要なことは、介護者自身の不安や弱さなどは考慮せず、理性
的に行うことである。
③認知症の治療薬が開発されるまで、専門家として認知症の人にできる
ことはほとんどない。
④認知症は、第一の視点として、中枢神経系の病気としてよりも障害と
してみるべきである。
⑤ ケアは、安全な環境を提供し、基本的ニーズを満たし、身体的ケアを
与えることが中心となる。
答=4
「パーソン・センタード・ケア」は、イギリスの心理学者のトム・キットウッドによって提唱された方法で、認知症患者を”人“として尊重し、その人の立場に立って行う認知症ケア。
1:効率的ではなく人間尊重
2:看護者自身もその不安や弱さを受け入れる
3:薬物によらないケア
4:正しい。ここでいう障害と病気の違いとは、病気は仕方がないものであるが、障害は介護の質により軽減できるもの、と理解する。
5:(基本的と身体的→心理的)。心理的ニーズを満たし心理的ケアを与える。
問22 Alzheimer 型認知症について、最も適切なものを1つ選べ。
①うつ症状が起こる。
② 見当識は保持される。
③ 近時記憶障害は目立たない。
④ 具体的な幻視が繰り返し出現する。
⑤ 注意や明晰さの著明な変化を伴う認知の変動がみられる。
答=1
1:正しい
3:アルツハイマーでは近似記憶障害は目立つ
4:幻視が出現するのはレビー小体型認知症
5:認知の変動が出現するのはレビー小体型認知症
問23 児童の社会的養護における家族再統合について、最も適切なものを
1つ選べ。
① 家庭復帰が困難な子どもは対象ではない。
② 児童福祉施設は、家族再統合には積極的に関与しない。
③ 家庭裁判所は、申立てがあった場合、直接保護者に適切な治療や支援
を受けることを命令できる。
④ 子どもが、家族の歴史や事情を知った上で、肯定的な自己イメージを
持つことができるよう支援する。
⑤ 施設や里親などにおける子どもの生活が不安定になるため、分離中の
実親との交流は、原則として控える。
答=4
1:適切な距離を保ちつつ家族交流を検討する
2:全ての社会的養護関連施設が関与する
3:家裁が保護者にできるのは、臨検、捜索、親権停止である
4:正しい
5:実親交流についても児童相談所が調整する
問24 学習者が自分の目標を決め、その目標を達成するために自らの計画
を立て、実行段階で思考、感情及び行為をコントロールし、実行後に振
り返り、自らの学習行動を評価するプロセスとして、正しいものを1つ
選べ。
① 観察学習
② 自己調整学習
③認知的徒弟制
④ 古典的条件づけ
⑤ 有意味受容学習
答=2
問題文は自己調整学習について述べたものである。
予見(目標設定)→遂行コントロール(モニタリング)→自己省察(自己評価)のサイクルを回す。
問25 学校心理学における心理教育的援助サービスの考え方について、最
も適切なものを1つ選べ。
① 心理面の援助を中心に行う。
② スクールカウンセラーが単独で援助する。
③ スクールカウンセラーに援助を求める子どもを対象とする。
④ 非行をする子どもなど、援助ニーズの高い子どもを対象とする。
⑤ スクールカウンセリング活動は、学校教育の一環として位置づけられ
る。
答=5
5:正しい。文部科学省令である学校教育法施行規則(令和2年4月1日改訂施行)第65条の2に、「スクールカウンセラーは、小学校における児童の心理に関する支援に従事する」と記載されたことから、法的に位置付けられていると解釈できる。
問26 構成的グループエンカウンターの特徴として、最も適切なものを1
つ選べ。
① グループを運営するリーダーを決めずに実施する。
② 参加者の内面的・情動的な気づきを目標としていない。
③ 特定の課題設定などはなく、参加者は自由に振る舞える。
④ レディネスに応じて、学級や子どもの状態を考慮した体験を用意でき
る。
⑤ 1回の実施時間を長くとらなくてはいけないため、時間的な制約のあ
る状況には向かない。
答=4
1:リーダーが構成したプログラムにそって進められる
2:気づきを目標とする
3:エクササイズと呼ばれる課題が設定される
4:正しい。レデイネス=学習者側の準備状況・成熟具合のこと
5:時間に合わせて構成できる
問27 事業場における労働者のメンタルヘルスケアについて、正しいもの
を1つ選べ。
① 労働者は、自己保健義務を負っている。
② 労働者の主治医が中心となって推進する。
③ 人事労務管理スタッフは、関与してはならない。
④ 産業医の中心的な役割は、事業場内で診療を行うことである。
⑤対象範囲を、業務に起因するストレスに限定することが大切である。
答=1
1:正しい。事業者側に安全配慮義務があるように、労働者側にも自己保健義務がある。
2:主治医ではなくて産業医。
3:関与する
4:いわゆる診療は、産業医の業務ではない
5:ストレスの範囲は職場内外に及ぶため限定できない。職場が原因として処理されている事例であっても、実際は家庭や個人的要因が存在するものが相当数存在する。
問28 F. Herzberg の2要因理論に関する説明として、正しいものを1つ
選べ。
① 達成動機は、接近傾向と回避傾向から構成される。
② 職場の出来事で満足を与える要因を達成欲求という。
③分配の公正と手続の公正は、仕事への動機づけを高める。
④ 職場での満足を感じる要因は、仕事への動機づけを高める。
⑤ 職場の出来事で不満足につながる要因をバーンアウトという。
答=4
1:ハーズバーグではない。マクレランドやアトキンソンの考え方。
2:これは動機付け要因という
3:これは衛生要因という。なければ不満が出るだけであり、あったから満足するものではない。
4:正しい
5:これは衛生要因という。
問29 糖尿病について、正しいものを1つ選べ。
① 糖尿病は、1型から2型に移行することが多い。
③ 2型糖尿病患者に、血糖自己測定(SMBG)は不必要である。
④ 非定型抗精神病薬の中には、糖尿病患者に使用禁忌の薬がある。
⑤ 健診でHbA1c値が 6.8 % であった場合は、糖尿病の可能性は低い。
答=4
1:1型と2型はべつもの
2:有酸素運動
3:どちらも必要
5:6以上では糖尿病の可能性が高い
問30 甲状腺機能低下症にみられる症状について、正しいものを1つ選
べ。
① 下痢
② 頻脈
③ 眼球突出
④ 傾眠傾向
⑤ 発汗過多
答=4
1:甲状腺機能亢進症
2:甲状腺機能亢進症
3:甲状腺機能亢進症
4:正しい
5:甲状腺機能亢進症
問31 抗精神病薬を長期間投与された患者に多くみられる副作用のうち、
舌を突出させたり、口をもぐもぐと動かしたりする動きが特徴的な不随
意運動として、正しいものを1つ選べ。
① バリズム
② アカシジア
③ ジストニア
④ ジスキネジア
⑤ ミオクローヌス
答=4
1:ぶん投げ運動
2:あしむずむず
3:ギュイーンと反り返る
4:正しい。口もぐもぐ
5:びくッとする(居眠り中にびくッとすることない?それに近い)
問32 医療法で、「高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有するこ
と」が要件として定められている病院として、正しいものを1つ選べ。
① 救急病院
② 精神科病院
③ 特定機能病院
⑤ 臨床研究中核病院
答=3
解答の通り。医療の高度化、研究開発、研修の必要性から特定機能病院が定められた。
問33 公認心理師の業務について、不適切なものを1つ選べ。
① 必要に応じて、他の保健医療の専門家と協力する。
② 心理療法の料金については、心理療法を始める段階で合意しておく必
要がある。
③ 心理療法の効果に焦点を当て、限界については説明を行わず、心理療
法を開始する。
④ 心理的アセスメントには、心理検査の結果だけではなく、関与しなが
らの観察で得た情報も加味する。
⑤ クライエントが、被虐待の可能性が高い高齢者の場合は、被害者保護
のために関係者との情報共有を行う。
答=3
3:心理療法の限界についてあらかじめインフォームドコンセントが必要である
問34 対人援助職のセルフケアと自己点検において重要な感情労働につい
て、不適切なものを1つ選べ。
① 感情労働は、第三の労働形態である。
② 感情労働は、A. Hochschild によって定義された概念である。
③ 感情労働とは、職業上、自己の感情をコントロールすることが要求さ
れる労働のことである。
④ 感情労働における深層演技とは、クライエントの感情を無意識的に自
分の感情として感じることである。
⑤ 感情労働における表層演技は、自らの感情とは不一致でも他者に表出
する感情を望ましいものにしようとすることである。
答=3
1:センター発表では正しい。センターが言わんとしているのは、労働には肉体労働、知的労働、感情労働の3つの要素がある、ちゅうことだしょ。それならわかるんだけど、労働形態っていう用語は、本当は別の意味なんだよね。
2:正しい
3:正しい
4:まちがい。深層演技とは自分の感情・情動までもコントロールする深い演技。
5:正しい。
問35 専門職連携を行う際の実践能力として、不適切なものを1つ選べ。
① 自分の職種の思考、行為、感情及び価値観について省みることができ
る。
② 他の職種の思考、行為、感情及び価値観について理解することができ
る。
③ 他の職種との関係の構築、維持及び成長を支援及び調整することがで
きる。
④ 他の職種の役割を理解し、自分の職種としての役割を全うすることが
できる。
⑤ 患者の意向よりも、他の職種との間での共通の目標を最優先にして設
定することができる。
答=5
5:患者の意向は尊重される
問36 乳児期の認知発達に関する研究手法である馴化・脱馴化法につい
て、不適切なものを1つ選べ。
① 乳児の弁別能力の発達を調べることができる。
② 吸てつsucking反応の変化を指標とすることができる。
③ 刺激に対する注視時間の回復を指標とすることができる。
④ 乳児の再認記憶の有無を確かめるために使うことができる。
⑤ 実験手法の1つとして、乳児に対して2つの刺激を同時に対呈示する
ことができる。
センターの答=5
当方の答=4
当方の考えはセンターとは違いますので、当方の考えが間違いなのだと思います。他のサイトなどを参照して正しい知識をご確認ください。
1:正しい
2:正しい
3:正しい
4:当方は×だと思いました。乳児の再認記憶の確認には選好注視法を用いると思っていました。馴化・脱馴化法は、弁別できるかどうかだけ、と思っておりました。でも再認記憶の確認にも使う方法があるのですね、当方が勉強不足で知らないだけだと思います。
5:当方としては正しいと思いました。より月齢の高い乳児では「聴覚刺激と同時に提示される視覚刺激への注視時間を測定することで脱馴化反応の有無」を検討するという実験方法(注視法)があるように思います。当方の理解不足かもしれません。
問37 L. S. Vygotsky の発達理論に含まれる概念として、不適切なものを
1つ選べ。
①内 言
② 自己中心性
③ 精神内機能
④ 高次精神機能
⑤ 発達の最近接領域
答=2
ヴィゴツキーの発達理論には1,3,4,5が含まれる。
2:自己中心性(自己中心語論争)でヴィゴツキーはピアジェと激しく対立したので、そのことを知っていれば×になるのでしょう。
問38 インテーク面接におけるアセスメントについて、不適切なものを[1]
1つ選べ。
① クライエントの生活における適応状態を確認する。
② 支援を受けることについての動機づけを確認する。
③ クライエントの問題に関連する情報を初回で漏れなく収集する。
④ 客観的な情報収集に努めながら、クライエントの語りを共感的に聴
く。
⑤ クライエントの問題の心理的要因だけではなく、生物的要因や社会的
要因についても評価する。
答=3
3:初回ですべての情報を収集しようとすること自体に無理がある
問39 H. Gardner が多重知能理論で指摘した知能に含まれるものとして、
不適切なものを1つ選べ。
① 空間的知能
② 言語的知能
③ 実用的知能
④対人的知能
⑤ 論理数学的知能
答=3
ガードナーによる多重知能は8つあり、上記の1、2、4、5は正しい。残りの2つは、自然的(博物学的)知能と身体運動(運動感覚的)知能である。
問40 職場の心理専門職として管理監督者研修を行うこととなった。研修
内容に盛り込む内容として、不適切なものを1つ選べ。
① セルフケアの方法
② 労働者からの相談対応
③ 代表的な精神疾患の診断法
④ 職場環境などの評価及び改善の方法
⑤ 健康情報を含む労働者の個人情報の保護
答=3
3:職場では素人診断は慎むべきでしょう。安易に病名を告げるとハラスメントとなる場合すらあります。
問41 睡眠薬に認められる副作用として、通常はみられないものを1つ選
べ。
① 奇異反応
③ 反跳性不眠
④ 持ち越し効果
⑤ 賦活症候群(アクティベーション症候群)
答=5
1、2、3、4は睡眠薬の副作用として認められる。5はSSRIにみられる副作用。
問42 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
(高齢者虐待防止法)について、誤っているものを1つ選べ。
①市町村は、高齢者を虐待した養護者に対する相談、指導及び助言を行
う。
② 養護者又は親族が高齢者の財産を不当に処分することは虐待に該当す
る。
③国民には、高齢者虐待の防止や養護者に対する支援のための施策に協
力する責務がある。
④ 警察署長は、高齢者の身体の安全の確保に万全を期するために、市町
村長に援助を求めなければならない。
⑤ 身体に重大な危険が生じている高齢者虐待を発見した者は、速やか
に、そのことを市町村に通報しなければならない。
答=4
4:「警察署長」と「市町村長」が逆になっている
問43 口唇裂口蓋裂、皮膚血管腫、熱傷などによる可視的差違がもたらす
心理社会的問題について、最も適切なものを1つ選べ。
① 家族への依存性が強くなるため、社会的ひきこもりとなることが多
い。
② 可視的差違は、子どもの自尊感情の低下を招くリスク要因にはならな
い。
③ 可視的差違を有する子どもの多くは、年齢に応じた心理社会的発達を
遂げることが難しい。
④ 家族や友人だけではなく、広く社会一般の反応や受容の在り方は、子
どもが可視的差違に適応していくに当たり重要な要因となる。
答=4
1:依存性ではなく自尊感情の低下のため
2:リスク要因となる
3:心理社会的発達は可能
4:正しい
問44 ナラティブ・アプローチに基づく質問として、最も適切なものを1
つ選べ。
① その出来事が起こったとき、どのような考えが頭をよぎりましたか。
② 今話されていたことですが、それを今ここで感じることはできます
か。
③ その 罪悪感は、どのようにお母さんとの関係を邪魔しているのです
か。
④ 寝ている間に問題が全て解決したとしたら、どのように目覚めると思
いますか。
答=4
1:自動思考を確認している、ナラティブの手法ではない
2:今ここ、はマインドフルネスなどで用いられるが、ナラティブの手法ではない
3:正しい。問題を外在化するナラティブの手法である
問45 心理療法やカウンセリングの効果研究の方法について、最も適切な
ものを1つ選べ。
①要因統制に基づく実験的な研究であることが必須である。
②一 事例実験にみられる介入効果を評価する場合には、因子分析が用い
られることが多い。
③ 特定の心理療法を行う実験群と未治療の統制群を設定して、効果の比
較を行う必要がある。
④ メタ分析では、ある介入法に基づく複数の効果研究について、効果サ
イズを算出することができる。
答=4
1:心理学では要因統制は、そうそう簡単なことではない
2:一事例では因子分析はむずかしい
3:特定の心理療法と、従来の心理療法とを比較するほうが望ましい
4:正しい
問46 合理的配慮について、適切なものを1つ選べ。
①公平性の観点から、入学試験は合理的配慮の適用外である。
②合理的配慮の対象は、障害者手帳を持っている人に限られる。
③ 合理的配慮によって取り除かれるべき社会的障壁には、障害者に対す
る偏見も含まれる。
④ 発達障害児がクールダウンするために部屋を確保することは、合理的
配慮には含まれない。
答=3
1:入学試験も適用される
2:手帳の有無にかかわらない
3:正しい
4:合理的配慮に含まれる
問47 知覚や意識について、誤っているものを1つ選べ。
① 共感覚は、成人より児童に生じやすい。
③入 眠時幻覚がみられる場合は、統合失調症が疑われる。
④ 事故などで、四肢を急に切断した場合、ないはずの四肢の存在を感じ
ることがある。
答=3
1:正しい(共感覚=音に色がついて見える、など)
2:正しい
3:入眠時幻覚といえばナルコレプシー
4:正しい
問48 「心の理論」について、不適切なものを1つ選べ。
① 自他の心の在りようを理解し把握する能力である。
② 標準誤信念課題によって獲得を確認することができる。
③D. Premack がヒトの幼児の発達研究を通して初めて提案した。
④ 「信念−欲求心理学」の枠組みに基づき、人々の行動を予測すると考え
られている。
答=3
1:正しい
2:正しい
4:正しい
問49 2018年(平成30年)の高齢者による犯罪について、誤っているもの
を1つ選べ。
① 刑務所入所時点で 65 歳以上である女性の罪名の 80 % 以上が窃盗で
ある。
② 刑法犯による検挙人員中に占める65 歳以上の者の比率は、約 10 %
である。
③ 刑法犯による検挙人員中に占める 65 歳以上の者の比率を男女別で比
較した場合、男性よりも女性の方が大きい。
④ 窃盗による検挙人員の人口に占める比率を、20 歳以上 65 歳未満と 65
歳以上とで比較した場合、後者の方が大きい。
答=2
1:正しい
2:65歳以上の者の比率は21.7%
3:正しい
4:正しい
問50 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律z精神保健福祉法{につい
て、誤っているものを1つ選べ。
① 裁判官は、精神障害者又はその疑いのある被告人に無罪又は執行猶予
刑を言い渡したときは、その旨を都道府県知事に通報しなければならな
い。
② 警察官は、精神障害のために自傷他害のおそれがあると認められる者
を発見したときは、最寄りの保健所長を経て都道府県知事に通報しなけ
ればならない。
③ 保護観察所の長は、保護観察に付されている者が精神障害者又はその
疑いのある者であることを知ったときは、その旨を都道府県知事に通報
しなければならない。
④ 矯正施設の長は、精神障害者又はその疑いのある者を釈放、退院又は
退所させようとするときは、あらかじめその収容者の帰住地の都道府県
知事に通報しなければならない。
答=1
1:「裁判官」のところが「検察官」
2:正しい
3:正しい
4:正しい
5:正しい
問51 入院患者が公認心理師の面接を受けるために、病棟の面接室に車椅
子で入室した。車椅子から面接室の椅子に移乗する際に看護師と公認心
理師が介助したが、車椅子から転落した。健康被害は起こらなかった。
それを診断した主治医の他に、インシデントレポートの作成者とし
て、適切なものを2つ選べ。
① 看護師
② 病院長
③ 公認心理師
④ 病棟看護師長
⑤ 医療安全管理責任者
答=1と3
インシデントレポートは、責任の有無には関係なく、原則として関係した当事者が作成する。よって、ここでは1と3になる。
問52 DSM-5の全般不安症/全般性不安障害の症状について、正しいも
のを2つ選べ。
① 易怒性
② 抑うつ
③ 強迫念慮
④ 社交不安
⑤ 睡眠障害
答=1と5
どれも一緒におこりうる症状なのでまぎらわしい。しかしDSM-5のジャンル分けでは、全般性不安障害は、強迫性障害、社交不安障害、抑うつ障害群などと一応明確に区別されているというのがミソ。DSM-5による全般性不安障害の症状には、落ち着きのなさ、疲労しやすい、集中困難、易怒性、筋肉の緊張、睡眠障害の6つがある。
1:正しい
2:これは抑うつ障害群の症状
3:これは強迫障害の症状
4:これは社交不安障害の症状
5:正しい
問53 被害者支援の制度について、正しいものを2つ選べ。
① 被害者支援センターは、法務省が各都道府県に設置している。
②受 刑者の仮釈放審理に当たって、被害者は意見を述べることができ
る。
③ 財産犯の被害に対して、一定の基準で犯罪被害者等給付金が支給され
る。
④ 刑事事件の犯罪被害者は、裁判所に公判記録の閲覧及び謄写を求める
ことができる。
⑤ 日本司法支援センターz法テラス{は、被疑者・被告人がしょく罪の気
持ちを表すための寄附を受けない。
答=2と4
2:正しい
3:「財産の被害」ではなく「死亡・重症・後遺症」の場合
4:正しい
5:受け付ける、しょく罪寄付という。判決を有利にするためのやからも当然いる
問54 トラウマや心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連するものとし
て、適切なものを2つ選べ。
① PTSDの生涯有病率は、男性の方が高い。
③心的外傷的出来事による身体的影響は少ない。
④ 治療開始の基本は、クライエントの生活の安全が保障されていること
である。
⑤ 複雑性 PTSD は、複数の、又は長期間にわたる心的外傷的出来事へ
の暴露に関連する、より広範囲の症状を示す。
答=4と5
1:女性が多い。身体的暴力の被害者となりやすいから(男性に比べて)
2:薬物療法も用いられる
3:身体的症状も出現する
4:一応正しい。正確には生活+心(心身)の安全が必要。
5:正しい
問55 少年鑑別所が法務少年支援センターという名称を用いて行う地域援
助について、正しいものを2つ選べ。
① 公認心理師が、相談を担当する。
② 必要に応じて心理検査や知能検査を実施する。
③ 相談対象は、未成年、その保護者及び関係者に限られる。
④学校や関係機関の主催する研修会や講演会に職員を講師として派遣す
る。
⑤ 個別の相談は、保護観察所内に設置されている相談室で行うことを原
則とする。
答=2と4
1:相談担当者に、資格による制限はない
2:正しい
3:成人も対象である
4:正しい
5:そもそも保護観察所というのは少年鑑別所とは別組織。なお相談所場所には定めはなく、電話相談も多い。
問56 学校保健安全法及び同法施行規則について、正しいものを2つ選
べ。
① 通学路の安全点検について、学校は一義的な責務を有する。
② 児童生徒等の健康診断を毎年行うかどうかは、学校長が定める。
③学校においては、児童生徒等の心身の健康に関し、健康相談を行う。
④市町村の教育委員会は、翌学年度の入学予定者に就学時の健康診断を
行う。
⑤ 児童生徒等の健康診断の結果が児童生徒と保護者に通知されるのは、
30 日以内と定められている。
答=3と4
1:通学路の管理義務者は警察・地方自治体・国土交通省であり、学校は連携に「努める」だけ
2:「学校長が定める」ではなく「必ず実施するように法に定められている」
3:正しい
4:正しい
5:通知は21日以内。
問57 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法
律(男女雇用機会均等法)に規定されているセクシュアル・ハラスメント
について、正しいものを2つ選べ。
① 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制すること
② 異性に対して行われるものであって、同性に対するものは含まないこ
と
③ 職場において行われる性的な言動により、労働者の就業環境が害され
ること
④ 業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命
じることや仕事を与えないこと
⑤ 職場での性的な言動に対して、労働者が拒否的な態度をとったことに
より、当該労働者がその労働条件につき不利益を受けること
答=3と5
1:それはパワハラ
2:同性も含む
3:正しい
4:それはパワハラ
5:正しい
問58 公認心理師を養成するための実習で学ぶ際に重視すべき事項とし
て、適切なものを2つ選べ。
① 自らの訓練や経験の範囲を超えたクライエントも積極的に引き受ける
ようにする。
② 実習で実際のクライエントに援助を提供する場合には、スーパービ
ジョンを受ける。
③ 実習で担当したクライエントに魅力を感じた場合には、それを認識し
て対処するように努める。
④ 業務に関する理解や書類作成の方法を学ぶことよりも、クライエント
への援助技法の習得に集中する。
⑤ クライエントとのラポール形成が重要であるため、多職種との連携や
地域の援助資源の活用に注目することは控える。
答=2と3
1:自らの力量を超えている場合には、まず指導者に相談する
2:正しい
3:正しい
4:事務的な業務も重要である
5:連携も重要である
問59 石けんの香りが机を清潔に保とうとする行動に影響を与えるかにつ
いて実験を行った。香りあり条件と香りなし条件を設けて、机の上の消
しくずを掃除する程度を指標として検討した。その結果、全体的には香
りあり条件と香りなし条件の差が検出されなかったが、尺度で測定され
た「きれい好き」得点が高い群は、全体として「きれい好き」得点が低い群
よりもよく掃除をした。さらに、高い群では香りあり条件と香りなし条
件の差は明瞭でなかったが、低い群では、香りあり条件が香りなし条件
よりも掃除をする傾向が顕著に観察された。
この実験の結果の理解として、正しいものを1つ選べ。
① 交互作用はみられなかった。
② 実験要因の主効果は有意であった。
③ 「きれい好き」要因の主効果は有意ではなかった。
④ 実験要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
⑤ 「きれい好き」要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
答=5
主効果とは、そのもの単独の効果のこと。交互作用とは、2つ目の因子が影響するために、相乗効果が生じることをいいます。
1:交互作用が見られた
2:有意に検出はされなかった
3:有意であった(よく掃除をした)
4:実験要因の主効果は、有意ではない
5:正しい。きれい好き要因の主効果は有意である、交互作用も有意である。
問60 15 歳の女子 A、中学3年生。A が人の目が怖くて教室に入れない
ということで、学校からの勧めもあり、公認心理師 B がいる市の相談
センターに母親 C から相談申込みの電話があった。C の話によると、
学校ではいじめなどの大きな問題はないが、1か月前から不登校状態が
続いているという。母子並行面接ということで受理し、面接を行うこと
になった。インテーク面接当日、A は、担当である B との面接が始ま
る際に、C との分離に不安を示した。インテーク面接の最中も、A の緊
張は高く、なかなか自分の状態について語ることができなかった。
B が行うインテーク面接とその後の初期対応として、最も適切なもの
を1つ選べ。
①Aと C との関係性が面接に影響するため、母子同室面接は行わない。
② A が 未成年であるため、A の在籍校には A が来所したことを報告す
る。
③ 人の目が怖い理由や原因について A に尋ね、まずはそれを意識化さ
せる。
④ 面接に期待していることを A に尋ね、B が最善の努力をすることを
伝える。
⑤ 言語面接が可能である場合、身体に作用するリラクセーション技法は
用いない。
答=4
1:分離不安があるため、母子同室のほうが良い場合もある
2:同意なく報告はしない
3:原因がわかるわけがない
4:正しい
5:リラクゼーションも有効である
問61 30 歳の男性 A、自営業。A は独身で一人暮らし。仕事のストレス
から暴飲暴食をすることが多く、最近体重が増えた。このままではいけ
ないと薄々感じていた A は、中断していたジム通いを半年以内に再開
するべきかどうかを迷っていた。その折、A は健康診断で肥満の指摘
を受けた。
- O. Prochaska らの多理論統合モデル(Transtheoretical Model)では、
A はどのステージにあるか。最も適切なものを[1]つ選べ。
① 維持期
② 実行期
③ 準備期
④ 関心期(熟考期)
⑤ 前関心期(前熟考期)
答=4
プロチャスカの行動変容ステージモデル(多理論統合モデル)は、無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期で構成されている。設問は左から2つ目の関心期に相当する。
問62 30 歳の女性 A、会社員。A は、精神科病院において入院治療を受
けている。20 代後半より抑うつエピソードを繰り返していたが、医療
機関の受診歴はなかった。入院の1か月ほど前から口数が多くなり、卒
業後交流のなかった高校時代の友人たちに電話やメールで連絡を取るよ
うになった。衝動的な買い物が増え、職場での尊大な態度が目立つよう
になった。心配した家族の支援で入院となり、1か月が経過した。症状
は改善しつつあるが、依然として口数は多く、睡眠は不安定である。A
は、仕事を休んでいることへの焦りを主治医に訴えている。
この時点での公認心理師の A への支援として、最も適切なものを1
つ選べ。
① 障害年金制度について情報を提供する。
② 幼少期の体験に焦点を当てた心理面接を行う。
③ 会社の同僚に対する謝罪の文章を A と一緒に考える。
④ 毎日の行動記録を表に付けさせるなどして、生活リズムの安定を図
る。
⑤ A の 同意を得て、復職の時期について職場の健康管理スタッフと協
議する。
答=4
設問から双極性障害と推測される。病名に関わらず、このように睡眠が不安定な状態では、まずは行動記録表を付けて一日のリズムを安定させていくことが復職に向けての第一歩となる。
問63 45 歳の男性 A、市役所職員。A は上司の勧めで健康管理室を訪れ、
公認心理師 B が対応した。A の住む地域は1か月前に地震により被災
し、A の自宅も半壊した。A は自宅に居住しながら業務を続け、仮設
住宅への入居手続の事務などを担当している。仮設住宅の設置が進まな
い中、勤務はしばしば深夜に及び、被災住民から怒りを向けられること
も多い。A は「自分の態度が悪いから住民を怒らせてしまう。自分が我
慢すればよい。こんなことで落ち込んでいられない」と語る。その後、
A の上司から B に、A は笑わなくなり、ぼんやりしていることが多い
など以前と様子が違うという連絡があった。
この時点のBのAへの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
① A の上 司にAの担当業務を変更するように助言する。
② A の所 属部署職員を対象として、ロールプレイを用いた研修を企画
する。
③ 災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)に情報を提供し、対応を依
頼する。
④ A に 1週間程度の年次有給休暇を取得することを勧め、A の同意を
得て上司に情報を提供する。
⑤ A に 健康管理医(産業医)との面接を勧め、A の同意を得て健康管理
医(産業医)に情報を提供する。
答=5
いわゆるバーンアウトの状態と推察されます。自死に至ることもなくはなく、市役所であれば健康管理医がおりますので、医師につなぐことが重要です。したがって5が正しい。
問64 1歳半の男児 A。母親 B が A の高熱とけいれん発作を訴えて、病
院に来院し、A は入院することとなった。これまでに複数の病院に通
院したが、原因不明とのことであった。B は治療に協力的で献身的に付
き添っていたが、通常の治療をしても A は回復しなかった。B は片時
も A から離れずに付き添っていたが、点滴管が外れたり汚染されたり
といった不測の事態も生じた。ある日突然、A は重症感染症を起こし
重篤な状態に陥った。血液検査の結果、大腸菌など複数の病原菌が発見
された。不審に思った主治医が B の付き添いを一時的に制限すると、A
の状態は速やかに回復した。
Aの状態と関連するものとして、最も適切なものを1つ選べ。
① 医療ネグレクト
② 乳児突然死症候群
③ 乳幼児揺さぶられ症候群
④ 反応性アタッチメント障害
⑤ 代理によるミュンヒハウゼン症候群
答=5
設問より、代理ミュンヒハウゼン症候群と推察される。よって5が正しい。
問65 9歳の男児A、小学3年生。A は、学校でけんかした級友の自宅
に放火し、全焼させた。負傷者はいなかった。A はこれまでにも夜間
徘徊で補導されたことがあった。学校では、座って授業を受けることが
できず、学業成績も振るわなかった。他児とのトラブルも多く、養護教
諭には、不眠や食欲不振、気分の落ち込みを訴えることもあった。A
の家庭は、幼少期に両親が離婚しており、父親 B と二人暮らしである。
家事はAが担っており、食事は自分で準備して一人で食べることが多
かった。時折、B からしつけと称して身体的暴力を受けていた。
家庭裁判所の決定により、A が入所する可能性が高い施設として、
最も適切なものを1つ選べ。
① 自立援助ホーム
② 児童自立支援施設
③ 児童心理治療施設
⑤ 第三種少年院(医療少年院)
答=2
9歳という年齢で、かつ一定期間入所できる先となると、2の児童自立支援施設となる。
1:15歳から20歳まで。家裁の送致先でもない。
2:正しい
3:ここは、おもに短期入所や通所となります。家裁の送致先でもない。
4:ここは、おもに通所となります。家裁の送致先でもない。
5:設問からADHDとは思われるが、第3種少年院は12歳以上です。
問66 13 歳の男子 A、中学1年生。A の学校でのテストの成績は中程度
よりもやや上に位置している。試験に対しては出題される範囲をあらか
じめ学習し、試験に臨む姿もよくみられる。しかし、その試験を乗り切
ることだけを考え、試験が終わると全てを忘れてしまう質の低い学習を
しているように見受けられる。勉強に対しても、ただ苦痛で面白くない
と述べる場面が目につき、学習した内容が知識として定着していない様
子も観察される。
現在の A の状況の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
① リテラシーが不足している。
② メタ記憶が十分に発達していない。
③ 深化学習や発展学習が不足している。
④ 機械的暗記や反復練習が不足している。
⑤ 具体的操作期から形式的操作期へ移行できていない。
答=3
1:リテラシー(ここでは読み書きの能力のことと思われる)は問題ない
2:メタ記憶(知っているかどうかを知っている)は問題ない
3:正しい
4:機械的暗記をしている
5:形式的操作(抽象的推論)は完了している
問67 21 歳の男性 A。A は実母 B と二人暮らしであった。ひきこもりが
ちの無職生活を送っていたが、インターネットで知り合った人物から覚
醒剤を購入し、使用したことが発覚して有罪判決となった。初犯であ
り、B が A を支える旨を陳述したことから保護観察付執行猶予となっ
た。
保護観察官が A に対して行う処遇の在り方として、最も適切なもの
を1つ選べ。
① 自助の責任を踏まえつつ、A への補導援護を行う。
② B に面接を行うことにより、A の行状の把握に努める。
③ A が一 般遵守事項や特別遵守事項を遵守するよう、B に指導監督を依
頼する。
④ 改善更生の在り方に問題があっても、A に対する特別遵守事項を変
更することはできない。
⑤ 就労・覚醒剤に関する特別遵守事項が遵守されない場合、A への補
導援護を行うことはできない。
答=1
1:正しい
2:当該人物に直接面接を行う
3:B(母親)ではなく保護観察官が指導監護を行う
4:変更できる
5:順守できるようにさらに補導援護を行う
問68 32 歳の女性 A、会社員。A は、感情の不安定さを主訴に社内の心
理相談室に来室し、公認心理師 B が面接した。職場で良好な適応状況
にあったが、2か月前から動悸をしばしば伴うようになった。その後、
異動してきた上司への苛立ちを強く自覚するようになり、ふとしたこと
で涙が出たり、これまで良好な関係であった同僚とも衝突することが
あった。最近では、緊張して発汗することがあり、不安を自覚するよう
になった。
Bが優先的に行うべき A への対応として、最も適切なものを1つ選
べ。
① 休職を勧める。
② 瞑想を教える。
③認知行動療法を勧める。
④ 医療機関の受診を勧める。
⑤ カウンセリングを導入する。
答=4
甲状腺機能亢進症と推察されるため、まずはメンタル以外の病気の検査を行う必要がある。よって4が正しい。
問69 16 歳の女子 A、高校[1]年生。A は、食欲不振、るい痩のため1週
間前から入院中である。高校に入学し、陸上部に入部した後から食事摂
取量を減らすようになった。さらに、毎朝6時から走り込みを始めたと
ころ、4か月前から月経がなくなり、1か月前から倦怠感を強く自覚す
るようになった。入院後も食事摂取量は少なく、「太ると良い記録が出
せない」と食事を摂ることへの不安を訴える。中学校までは適応上の問
題は特になく、学業成績も良好であった。自己誘発嘔吐や下剤の乱用は
ない。身長は159 cm、体重は 30 kg、BMI は 11.9 である。
公認心理師の A への支援として、不適切なものを1つ選べ。
① 食事へのこだわりを外在化する。
② A の家族に治療への参加を促す。
③ 部活動への葛藤について傾聴する。
④ 栄養士の助力を得て食事日記を付けることを勧める。
⑤点滴を受けて、栄養状態を速やかに改善するように勧める。
答=5
設問から神経性無欲症と推察される。
1:そのようなアプローチもある
2:正しい
3:正しい
4:正しい
5:不適切。点滴しても自己抜去で血だらけ。速やかな栄養改善はリフィーディング症候群をおこす。
問70 72 歳の男性 A。A は、高血圧症で通院している病院の担当医に物
忘れが心配であると相談した。担当医の依頼で公認心理師 B が対応し
た。A は、1年前より徐々に言いたいことがうまく言葉に出せず、物
の名前が出てこなくなった。しかし、日常生活に問題はなく、趣味の家
庭菜園を楽しみ、町内会長の役割をこなしている。面接時、軽度の語健
忘はみられるが、MMSE は 27 点であった。2か月前の脳ドックで、頭
部 MRI 検査を受け、軽度の脳萎縮を指摘されたという。
B の A への助言として、不適切なものを1つ選べ。
①高血圧症の治療を続けてください。
② 栄養バランスのとれた食事を心がけてください。
③ 運動習慣をつけて毎日体を動かすようにしてください。
④ 生活習慣病の早期発見のために定期的に健診を受けてください。
⑤認知症の予防に有効なお薬の処方について、医師に相談してくださ
い。
答=5
MCI(軽度認知症)ではないとまではいいきれないが、ここでは異常のない年齢相応の変化とみて良いようです。認知症検査のMMSEは満点に近い(30点満点中27点~30点は異常なし)。
1:正しい
2:正しい
3:おおむね正しい(しかし過去問2019-64では高血圧にジョギングさせるのは✖となっていますね)
4:おおむね正しい(生活習慣病の定期健診もよいですが、MRIと認知検査の継続観察が重要と思います)
5:不適切、MMSEが異常ないので。
問71 22 歳の男性 A、大学4年生。A は 12月頃、就職活動も卒業研究も
うまくいっていないという主訴で学生相談室に来室した。面接では、気
分が沈んでいる様子で、ポツリポツリと言葉を絞り出すような話し方で
あった。「就職活動がうまくいかず、この時期になっても1つも内定が
取れていない。卒業研究も手につかず、もうどうしようもない」と思い
詰めた表情で語っていた。指導教員からも、日々の様子からとても心配
しているという連絡があった。
Aの自殺のリスクを評価する際に優先的に行うこととして、不適切
なものを1つ選べ。
① 絶望感や喪失感などがあるかどうかを確認する。
② 就職活動の方向性が適切であったかどうかを確認する。
③ 現在と過去の自殺の念慮や企図があるかどうかを確認する。
④ 抑うつ状態や睡眠の様子など、精神的・身体的な状況を確認する。
⑤ 就職活動や卒業研究の現状を、家族や友人、指導教員に相談できてい
るかどうかを確認する。
答=2
2:批判的・教条的内容は希死念慮を増悪させる恐れがある
2以外は適切
問72 8歳の男児 A、小学2年生。授業についていけないという保護者
からの主訴で、児童精神科クリニックを受診した。家庭生活では問題な
く、勉強も家で教えればできるとのことであった。田中ビネー知能検査
では IQ 69、Vineland-Ⅱでは、各下位領域の v 評価点は9〜11 であっ
た。
Aの評価として、最も適切なものを1つ選べ。
① 知的機能が低く、適応行動の評価点も低いため、知的能力障害の可能
性が高い。
② 知的機能は低いが、適応行動の評価点は平均的であるため、知的能力
障害の可能性は低い。
③ 保護者によると、家庭生活では問題ないとのことであるが、授業につ
いていけないため、学習障害の可能性が高い。
④ 保護者によると、勉強も家で教えればできるとのことであるが、授業
についていけないため、学校の教授法に問題がある可能性が高い。
答=1
田中ビネーIQ69以下は知的障害となる。ヴァインランドの適応水準(下位領域)をあらわすv評価点は次のように解釈される、すなわちv=1~9は適応水準が低い、v=10~12は適応水準がやや低い、v=13~17は適応水準が平均的、v=18~20は適応水準がやや高い、v=21~24は適応水準が高い。
よって設問より、知的機能としては知的障害、適応水準は低いないしやや低い、となる。
1:正しい
2:適応行動は低いないしやや低い
3:知的に低いのとコミュニケーションが低いためであろう、よってLDではない
4:3とおなじ理由で、教授方法の問題ではない
問73 25 歳の男性 A、会社員。A は、上司 Bと共に社内の相談室に来室
した。入社2年目であるが、仕事をなかなか覚えられず、計画的に進め
ることも苦手で、B から繰り返し助言されているという。B によれば、
同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まり
事に気がつかなかったりすることもあり、職場の中でも煙たがられてい
るという。会社以外での対人関係で困ることはない。この1か月は早朝
覚醒に悩まされ、起床時の気分も優れなかったため、会社を何日か休ん
だ。BDI-Ⅱの得点は 42 点、AQ-J の得点は35 点であり、Y-BOCS の
症状評価リストは項目が該当した。
A に関する見立てとして、最も適切なものを1つ選べ。
① 軽度抑うつ状態
③ 社交不安症/社交不安障害
答=4
1:うつ状態としては極度である
2:強迫症の頻度や苦痛については不明である
3:社交不安は示されていない
4:AQJが33点以上のためASDと推察される。ASDにより二次的に生じた抑うつ状態と思われる。
問74 21 歳の男性 A、大学3年生。A は将来の不安を訴えて、学生相談
室を訪れ、公認心理師 B と面談した。A は、平日は大学の授業、週末
はボクシング部の選手として試合に出るなど、忙しい日々を送ってい
た。3か月前にボクシングの試合で脳震とうを起こしたことがあった
が、直後の脳画像検査では特に異常は認められなかった。[1]か月前か
ら、就職活動のためにOBを訪問したり説明会に出たりするようにな
り、日常生活がさらに慌ただしくなった。その頃から、約束の時間を忘
れて就職採用面接を受けられなかったり、勉強に集中できずいくつかの
単位を落としてしまったりするなど、失敗が多くなった。
BのAへの初期の対応として、不適切なものを1つ選べ。
① 高次 脳機能障害の有無と特徴を評価する。
② 医師による診察や神経学的な検査を勧める。
③ 不安症状に対して、系統的脱感作の手法を試みる。
④ 現在 悩んでいることを共感的に聴取し、問題の経過を理解する。
答=3
設問より慢性硬膜外血腫が推察される。
1:正しい
2:正しい
3:慢性硬膜外血腫などの脳の器質的病変が推察されるため、原疾患の検索と治療が優先
4:正しい、共感的に接することは問題ない
問75 70 歳の女性 A。A は最近、昼間の眠気が強くなったと訴える。夜
間の睡眠は0時から6時頃までで変化はなく、毎日朝夕2回 30 分程度
の散歩をしている。高血圧のため3年前から服薬しているが、血圧は安
定しており、健診でもその他に問題はないと言われている。最近、就床
すると、足に虫が這うように感じて眠れないことがある。昼間の眠気は
あるが、何かをしていれば紛れる。週3回の編み物教室は楽しくて眠気
はない。食欲はあり、塩分摂取に気をつけている。
Aへの睡眠衛生指導上の助言として、適切なものを2つ選べ。
① 散歩は、睡眠に良い効果があるので続けてください。
② 睡眠時間が足りないので早く床に就くようにしてください。
③ 昼間に何かをして眠気が紛れるのであれば心配はいりません。
④ 深く眠るために熱いお風呂に入ってすぐ寝るようにしてください。
⑤ 足の不快感のために眠れないことについては、医師に相談してくださ
い。
答=1と5
レストレスレッグズ(むずむず脚)症候群と推察される。
1:正しい
2:逆効果
3:種々原因の検索が必要
4:ぬるめのほうがよい
5:種々原因の検索のために受診をすすめる
問76 5歳の男児A。A は、実父からの身体的虐待が理由で、1か月前
に児童養護施設に入所した。A は、担当スタッフの勧めで同施設内に
勤務する公認心理師 B の面談に訪れた。担当スタッフによると、A は、
入所時から衝動性・攻撃性ともに高かった。施設内では、コップの水を
他児 C にかけたり、他児 Dを椅子で殴ろうとしたりするなど、A の暴
力が問題となっていた。また寝つきが悪く、食欲にむらが見られた。B
との面談でAは暴力の理由を「いつも僕が使っているコップを C が勝手
に使ったから」「Dが僕の手首を急に掴んだから」と語った。また、「夜
眠れない」と訴えた。
Bが初期に行う支援として、適切なものを2つ選べ。
① 遊戯療法を速やかに導入し、A に心的外傷体験への直面化を促す。
②受 容的態度で A の暴力を受け入れるよう、担当スタッフに助言する。
③ コップ等の食器は共用であるというルールを指導するよう、担当ス
タッフに助言する。
④ A の 様子を観察し、A が安心して眠れる方法を工夫するよう、担当
スタッフに助言する。
⑤ 衝動性や攻撃性が高まる契機となる刺激ができるだけ生じないよう
に、担当スタッフと生活環境の調整を検討する。
答=4と5
反応性アタッチメント障害により攻撃性が表出されているように読めます。
1:初期としては不適切
2:それでは粗暴な行動を強化してしまう
3:ルールの教示では改善しない
4:正しい、不眠が焦燥感を増悪させている可能性がある
5:正しい、環境調整は効果があると思われる
問77 24 歳の女性 A、小学年生の担任教師。A の学級は、前任からの
担任教師の交代をきっかけに混乱した状態に陥った。A の学級の複数
の児童が、授業中の私語や立ち歩きなどの身勝手な行動をしていた。学
級のその他の児童たちは知らん顔で、学習にはある程度取り組むもの
の、白けた雰囲気であった。A は学級を立て直したいが、どうすれば
よいか分からない。
スクールカウンセラーがAに対してこの学級についてのコンサル
テーションを行う際に、重視すべき事項として、適切なものを2つ選
べ。
① 保護者の意見
② 児童の家庭環境
③ 個々の児童の学力
④学 級のルールの定着
⑤ 教師と児童の人間関係
答=4と5
1:保護者の意見は批判的なものが多く、かえって混乱を招くこともある
2:家庭環境はすぐには変えられるものではない
3:学力差はあって当然である
4:正しいが、口でいうほど容易ではない
5:正しいが、担任一人では無理であり、協力体制や技術的な工夫が必要である